HOME > 議会通信 vol.88 2022年 新春号

議会通信 vol.88 2022年 新春号


 新たな変異株の発見もあり、新型コロナウイルス感染症への不安が再び拡がりつつあります。一方本年は、治療薬の普及も予測されることから、必要に応じた感染症への対策と合わせて、コロナ禍により傷んだ市内経済の立て直しに資する施策に取り組む必要があります。市民の命と財産を守るための備えを強化するとともに、豊かな暮らしと地域の活性化につなげていくため、引き続き会派一丸となって政策の実現に邁進します。                                         福岡市民クラブ 一同

 12月14日(火)、髙島市長に「令和4年度予算要望」を手渡しました。皆さまにお示ししております『会派基本政策2019』(※)の4つの戦略に基づく施策をベースに、コロナ対策を踏まえつつ経済を回していく視点も含め、要望を提出しました。提出にあたっては、11月24日(水)に開催した「第10回議会活動報告会」(※)でいただいたご意見も加え、要望は昨年をさらに上回る「全88項目225施策」にのぼりました。

 私たちの要望が、令和4年度予算に反映されるよう、第1回の予算審議に向けてしっかりと準備を進めていきます!

「会派基本政策2019」「第10回議会活動報告会」の模様は、福岡市民クラブ公式ホームページに掲載しております。

要望の中から新たに取り入れた提案を中心にあげると、


■ 生活保障戦略 
①ベンチ設置プロジェクトの拡充と買い物支援策の強化、②高齢者に対する住生活支援の拡充、③ワークライフバランスの推進など、計66施策。
●●●●●●●


■ 成長戦略 
①安心安全な世界水泳大会の開催、②オフィス需要の減少を見据えた企業誘致、③食品ロスの削減も含めた地球温暖化対策の推進 等、計57施策。


■ 地域主権戦略 
①地域活動の担い手づくりと男女共同参画の推進、②公民館の行政拠点機能の強化、③空き家対策の推進 等、計33施策。


■ 共生戦略 
①災害時の帰宅者支援策の強化、②特別支援学校高等部や夜間中学などの新設時における教育内容の充実、③スポーツの振興 等、計69施策。

TOPICS

1. 新型コロナワクチン接種(3回目)について

①対象者
2回目接種から概ね8か月以上(※)経過した、福岡市に住民登録のある18歳以上の方 ※国が示す方針に沿って接種の前倒しを実施
②接種券の発送
3回目の接種のタイミングを迎える方へ、順次発送
 ⇒a)発送は1週間ごとに個別に実施予定
  b)1回目&2回目の接種記録を記載
  c)接種券が届き次第、予約可能
③使用するワクチン
接種済のワクチン接種に関わらず、mRNAワクチン(ファイザー社製 or モデルナ社製)を使用
④予約方法
福岡市ホームぺージからアクセスする予約サイトまたは、コールセンターで予約

2. 障がい者の支援センター 新設へ

◆ 基本方針:発達障がい者支援センターと障がい者就労支援センターを集約し、個々の特性を踏まえた効果的な就労支援を行なうほか、研修の充実や待機時間の低減など、発達障がい児・者のニーズに応えられる体制を整備する
◆ 整備地:中央区舞鶴1丁目(舞鶴小・中学校の傍)
◆ 建物:
鉄筋コンクリート造 7階建
1F…エントランス・駐車駐輪場
2F~4F…発達障がい者支援センター
     障がい者就労支援センター
     中央区フレンドホーム
5F~7F…福岡市関連事務所

 令和3年第6回定例会12月16日(木)~24日(金)が開催され、令和3年度一般会計補正予算、一般議案など全57議案について審議しました。

議案より 令和3年度一般会計補正予算案(第6号)総額 約508億円

 今補正予算案は、国の経済対策にもとづく給付事業や3回目のワクチン接種の費用などの新型コロナウイルス感染症の追加対策を含むもので、国庫支出金が主な財源となっています。主な事業は以下の通りです。

(単位:百万円)

 ① 国の経済対策関連
   住民税非課税世帯等への臨時特別給付事業
   子育て世帯への臨時特別給付事業
39,216
25,660
12,362
 ② 新型コロナウイルス感染症対応
   新型コロナウイルスワクチン接種
   検査・入院医療費の公費負担
   全市版プレミアム商品券事業
11,027
7,755
970
385
 ③ その他
   災害対応(令和3年8月豪雨に伴う対応等)
   給与費等(職員の給与減額改定分、時間外の増等)
 593
306
255
議案より 事務分掌条例の一部を改正する条例

 多様化する市民の福祉ニーズに対応した保健福祉施策の推進を図るとともに、新型コロナウイルス感染症等に係る取組みを充実強化するため、行政組織を再編する必要があったもの(見直し内容は図の通り)。
施行期日 令和4年4月1日

市街化調整区域の活性化へ支援の充実を!

議案質疑[12月16日] 田中 たかし(西区)

 注目を集めた子育て支援給付金は現金の一括給付で落着。その決定を受け、様々な家族形態や事情を考慮し、柔軟な対応を検討するよう要望しました。災害の激甚化や頻発化に対応した都市計画の法改正に伴い、市街化調整区域内の開発許容区域から災害危険区域が除外されるため、住民への影響について確認。市は「店舗や賃貸住宅は建設不可となるが、農林漁業従事者等の既存住宅は建替等も可能なため影響は少ない」との認識。開発許容区域の制度が始まってまだ6年であるため、今条例改正で住民が混乱せぬよう周知徹底するとともに、これまで定住化促進や活性化に向け実施した地域の取組みが無駄にならぬよう、さらなる支援策の充実を要望しました。

多様な学びを可能とし進化する夜間中学を!

議案質疑[12月16日] 池田 良子(西区)

 2022年4月開校の夜間中学校設置に伴い改正される条例案について質疑を行いました。福岡市の夜間中学は、準備段階から開校に至るまでの期間が他都市に比べて短いことから、開校後も柔軟に改善を続けるために関係機関や不登校親の会、若者支援団体等の外部団体との連携を図った「在り方委員会」の設置と、夜間中学がめざす学校像や枠組み等を整理した「公立夜間中学設置基本方針」の作成を求めました。さらには、年齢、国籍、居住地、生活背景など多様な生徒が在籍することから、通学費や教材費等就学への経済的支援や軽食の提供、修業年限の延長、日本語指導教員や加配教員の配置、不登校となっている学齢生徒受け入れの検討などを求めました。

実効ある学校の働き方改革 待ったなし!

一般質問[12月17日] 落石 俊則(東区)

 福岡市の学校教員採用試験の受験者数は年々減少し、本年度の競争倍率は、小学校1.6倍、中学校2.7倍と、近年で最低。受験者に占める新卒者の割合は3分の1となり、減少の大きな要因として、学校の多忙化と長時間勤務の解消の遅れがあげられます。教員の仕事にあこがれを抱きながらも、職場環境を懸念し教員という仕事を選択しない学生の不安解消のためにも、学校の働き方改革は待ったなしです。勤務時間内での教材研究等の時間確保並びに業務改善と併せ、市独自の加配教員の配置を要望しました。また、各選挙での投票率向上に向け政治への参加意識を育む小・中学校、高校での主権者教育の推進と投票機会確保のため期日前投票所増設を求めました。

再犯防止に向け本市の主体的な取り組みを!

一般質問[12月20日] 宮浦 寛(早良区)

 「福岡市再犯防止推進計画」策定にあたって、再犯防止社会づくりに向けた民間事業者等の取り組みがさらに進むよう、市の主体性を示すべきとの観点から、「就労と住まい」を中心に市の取り組みを質しました。地公法の規定があり自治体での出所者等の雇用は難しいものの、外郭団体での門戸拡大につき検討を求めました。住まいに関しては、刑務所等を出所した者のうち約4割が住居の確保ができないまま出所している現状を指摘。今後の民間住宅活用や支援法人等の取り組みにさきがけ、市営住宅入居に関して、保護観察所や保護司会サポートセンターと連携し、見守り体制が整いやすい地域の市営住宅などへの入居について、今後の検討を求めました。

子どもたちに世界を体感する機会を!

一般質問[12月20日] 山田 ゆみこ(博多区)

 2022年5月、福岡市で世界水泳大会とマスターズ水泳大会が開催されます。コロナ禍のため世界的なスポーツ大会の多くは、画面を通しての観戦しかできませんでしたが、本大会は感染対策を万全に講じた上で、観客動員100%を予定しています。世界190カ国・地域から迎える選手や関係者が約5000人規模となる大会であり、改めて市民にとっての安心安全な大会開催を強く求めました。あわせて、水泳競技に取り組む子どもたちが世界を直接体感する機会の創出提供を求めたところ、「大会終了後の会場プールを使用した、中高生を対象とした大会開催の検討を進めている」「仮設プールは、撤去後、学校等のプールでの再活用を予定している」との答弁を得ました。

特別養子縁組の更なる支援の充実について

一般質問[12月21日] ついちはら 陽子(東区)

 本市では里親制度の普及促進や養育の質を確保するための里親の支援や研修等、NPOと共働した取り組みを通じ、里親委託数が増加。実親の元で養育困難な場合でも、里親家庭で養育する環境が整いつつあります。事情によっては、里親委託よりも養子縁組により生涯にわたって親子関係を継続できる方が望ましいケースもあり、特別養子縁組が成立した後の養親への支援体制について問うと、児童相談所で相談を受け、必要に応じて専門職による通所相談等の支援を行っているとの答弁。特定妊婦の支援に取り組んできた『こももティエ』の機能拡充を機に、医療機関とともにしっかり連携し、子どもの最善の利益のために、特別養子縁組の啓発・促進を要望しました。