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議会通信 vol.87 2021年 秋号

福岡市民クラブ、
令和2年度決算特別委員会に臨む!
  • 感染防止対策の強化のため、本会議場を使った異例の決算特別委員会となりました。

 第4回定例会(9月3日~10月8日)が召集され、一般会計補正予算案、条例の改正、令和2年度決算に関する議案等、全48議案について審議しました。中でも、公立夜間中学の設置に向けた追加補正について、ご報告いたします。

公立夜間中学の設置に向け追加補正
  • 今回の補正予算は、令和4年4月の開校に向けて施設改修や備品の購入等を行なうために必要な整備費33,532千円を追加したものです。
  • 公立夜間中学とは…?
    • 様々な理由により義務教育を修了できなかった人や、不登校などの事情により義務教育が十分に受けられなかった人などを対象に、夜の時間帯等に授業が行われる公立中学校です。
  • 福岡市の設置する夜間中学は?
    • 幅広い年齢層の方が、多様な目的を持って公立夜間中学への入学を希望されていることから、それぞれの自己実現に向けて学ぶことができる機会を提供する夜間中学を設置します。

  • 夜間中学校の設置概要
    • 設置場所: 福岡市教育センター内(早良区百道)
    • 設置形態: 単独中学校として設置
      施設概要: 校長室、職員室、教室6室
          • ※特別教室などはセンターの施設を共用
    • 対象者: 福岡市在住の満15歳以上
      想定人数: 40人程度
      授業方法: 対面による授業
          • 全市域からの通学を想定しオンラインも活用
    • 開校時期: 令和4年4月(予定)
          • ※12月議会にて関係条例改正の後、2月までに生徒募集

九州初の夜間中学開校! 万全の準備を!

議案質疑[9月3日] 田中 たかし(西区)

 夜間中学整備に係る費用について質問。市は40人規模で改修等の準備を進めるようですが、事前調査では若年層の入学ニーズが高く募集枠を上回ることも考えられますが、「想定以上の応募があっても全希望者を受入れる」との答弁を得ました。また、専任校長を配置した独立中学校であること、教室以外に必要となる音楽室や理科室などの確保、体育は近隣の百道中学校を使用することなども確認。開校まで準備期間が短いことを指摘した上で、国籍や年齢層、学力差など、多様な生徒が入学することを十分考慮しながら、学校運営や教育カリキュラムについて丁寧に議論を進め、ハード・ソフト両面において万全の準備を整えて開校するよう強く要望しました。

新設特別支援学校高等部に多様な教育課程を!

一般質問[9月6日] 池田 良子(西区)

 本市では中学校の特別支援学級から特別支援学校高等部への進学者数が増加傾向にあり、就労に特化した特別支援学校高等部2校の新設(2023年,2025年開校予定)を計画しています。新設校は、企業就労だけでなく福祉的就労を教育課程に位置付けていますが、軽度の知的障がい生徒へ対応する教育課程がありません。専門的な職業コースや教科学習も取り入れ、子どもたちが就労先の選択肢を広げられるよう多様な教育課程を求めました。近年の豪雨災害は、異常気象によって局所化し激甚化しています。市内の山間地域を中心に、土砂災害の恐れにより避難が必要な場合、迅速な行動がとれるよう、一斉に情報伝達できる防災用の緊急放送施設の整備を求めました。

通学路の安全対策をしっかりと講じるべき!

一般質問[9月7日] 落石 俊則(東区)

 本年6月、千葉県八街市で、またも飲酒運転により児童5人が死傷する痛ましい事故が発生。この事故を受け小学校単位で実施された緊急調査により、市内252の危険カ所が報告されました。本市では毎年、「通学路交通安全対策プログラム」に則り、学校からの危険カ所報告を基に警察署等の関係機関による合同点検や改善対策が実施されます。昨年度末までに挙げられた119カ所は、本年度末までに108カ所の対策が完了する予定ですが、用地取得等による未実施分が11カ所。子どもたちの笑顔が悲鳴とならぬよう、今調査分と合わせ、通学路の早急な安全対策を要望し、教育長より「関係局等で連携し、危険カ所の計画的な改善に努めていく」との答弁を得ました。

社会や地域とつながる働き方に新しい風を!

一般質問[9月8日] 成瀬 穫美(南区)

 昨年12月に労働者協同組合法が成立しました。協同労働とは、従来の働き方とは異なり、労働者自らが出資し、経営に参画し、労働も担うという形態です。これまで地域課題に取り組む場合、NPO法人や社会福祉法人などの形態で活動していましたが、認可を得ることに時間がかかったり、活動分野が限定されたりしていました。協同労働が進むことによって、社会や地域にどんなメリットがあるのか、また、市が負うべき役割とは何かを問い、市での推進体制の整備を要望しました。また、部活動の在り方を検証するとともに、スポーツが苦手でも、障がいがあってもすべての子どもたちがスポーツを楽しめるような多様性を尊重する部活動の在り方を要望しました。

 令和2年度決算特別委員会開会 [9月17日(金)~10月7日(木)]

 歳入は、前年度に比べ約3,807億円(43.4%)増となりました。特別定額給付金事業の補助金増により、国庫支出金が3,533億円(+1,843億円増)となりました。
 市税は、法人市民税の減少等により3,411億円(▲34億円)となりました。
 歳出は、前年度に比べ約3,770億円(43.6%)増となりました。目的別にみると、経済観光文化費が商工金融資金の増等により2,065億円、総務費が特別定額給付金給付事業費の増等により1,528億円、保健福祉費が新型コロナ感染症対策費の増等により97億円の増となりました。

進めよう! 学校施設のバリアフリー化

総会質疑[9月21日] 宮浦 寛(早良区)

 車いすを使用するなど、階段昇降に支援を要する児童6名が通う学校のうち、エレベーターが設置されている学校は1校しかない現状を指摘。文部科学省の「公立小中学校等施設のバリアフリー化に関する整備目標」では今後5年間で支援が必要な児童や教職員が在籍している学校について、エレベーターを原則100%整備するとの目標が明確に示されていることをふまえ、本市でも計画的な整備を求めました。教育長からは、「今回の文部科学省から示された整備目標や生徒の状況をふまえ、バリアフリー化への対応を検討していく」との見解が示されました。この他、「感染症対策関連職員の長時間勤務」、「公民館の行政拠点機能の強化」について質しました。

男性育児休業の取得率向上のため意識改革を

総会質疑[9月22日] ついちはら 陽子(東区)

 仕事と家庭の両立に不可欠の出産育児に関する休暇と休業について質しました。男性市職員の取得率は年々上昇し、昨年度は出産・育児支援休暇90.1%、育児休業33.5%と市が設定した目標を達成したものの、育児休業の平均取得日数は89日、最短は5日となっており、育児への参加状況については大いに課題があります。出産後の母体保護のため、産後2ヵ月については男性の育児休業の取得が認められていることからも、家族の状況に応じて各種制度を活用できるよう職場全体の意識改革を求め、「すべての職員が働きやすい環境づくりを進めていく」との答弁を得ました。この他、女性の健康づくりに向けた施策とベンチ設置プロジェクトについて質しました。

事業者に資する食品ロス削減策の展開を!

総会質疑[9月24日] 近藤 里美(南区)

 家庭系・事業系それぞれの食品ロス量を2030年度までに2000年度比の50%削減をめざす取り組みが本格化し、市民・事業者ともに関心が高まっています。福岡市では「フードドライブ」イベントをきっかけに、家庭に眠る食品をフードバンクに提供する取り組みが加速しつつあります。食品小売事業者へのロス対策として、作りすぎや過剰発注を防ぐため、日本気象協会実施の気象予測に基づいた需要予測サービス「売りドキ!予報」の実証実験を行ない、参加店舗では廃棄ロスの削減と同時に、機会ロス削減についても成果が実感されました。さらなる活用事業者数の拡大に取り組むとともに、事業者単独では困難な消費者マインドの醸成に取り組むよう求めました。

休業要請対象外事業者への追加支援を求む!

総会質疑[10月6日] 井上 麻衣(城南区)

 昨年度実施した事業者向け支援策の実績を振り返りながら、今年度行われている支援策についての進捗を確認。その中で、売上が減少した事業者に対する支援に予算措置された28億円が8月末時点で約12%(約4億円)しか執行されていないことが判明。現在、国・県・市で実施されている事業者への支援策について、休業・時短要請を受けた場合と受けていない場合とで1月以降の支援総額を比較すると、約10倍の開きがあることを指摘。今必要な支援策として、国の支援金への上乗せや、上限額の引上げ、飲食店以外への家賃支援などを提案。まだ執行されていない予算の有効活用も含め、休業要請対象外事業者への支援の追加、拡充を要望しました。

コロナ禍の経験を次年度施策に活かす!

討論[10月8日] 山田 ゆみこ(博多区)

 2020年度一般会計及び特別会計、並びに企業会計の歳入歳出決算について、認定することに賛成の意を表し、討論を行ないました。市民税の減収が歳入決算に大きく響いたことをふまえつつ、次年度以降に見送った事業が、適時実施されるよう財源確保を求めました。歳出については、「会派基本政策2019」の4つの戦略に基づき、コロナ禍により深刻な事態に陥っている事業者への支援策をはじめ、医療や介護、教育・保育といった暮らしを支える事業の安定的な実施など、総会や分科会を通じた2020年度決算に関する議論の中で、施策の拡充や事業の推進に向けた意見・提案を行なうとともに、2022年度の予算・事業策定に反映していただくよう、要望しました。

     「第10回議会活動報告会を開催!」     

 福岡市民クラブは、「市民と一緒に地域の将来を議論し、政策のかたちで提案し、さらに市民に対する説明責任をしっかりと果たす『働く議会』を実現する」という議会改革における理念の下、変わらず活動を続けているところです。
 一年間の会派の取り組みを広くお伝えするとともに、参加者の皆さまとの意見交換の場として、今年度も「議会活動報告会」を開催いたします。

【日 時】 令和3年11月24日(水)19:00~20:30
【場 所】 TKPガーデンシティPREMIUM天神スカイホール
     福岡市中央区天神1-4-1 西日本新聞会館 16F

※当日の配布資料は、福岡市民クラブのHPに掲載いたしますので、ご参照ください。