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議会通信 vol.78 2019年 夏号


左から、ついちはら 陽子[東区]、山田 ゆみこ[博多区]、近藤 里美[南区]、池田 良子[西区]、田中 しんすけ[中央区]、宮浦 寛[早良区]、落石 俊則[東区]、成瀬 穫美[南区]、田中 たかし[西区]、井上 麻衣[城南区]


私たちは、働く者・生活者の目線で議会活動に取り組む会派であり、今期は、立憲民主党、国民民主党、社会民主党の党籍を持った10名の議員で構成することとなりました。先の市議会議員選挙でお示しした『会派基本政策2019』に基づき、
 
 ① 一人ひとりの命と幸せを大切にする社会        ② 人と技術の結びつきが新たな価値を生み出す創造都市
 ③ 市民が自ら発言し、議論し、決定する仕組みづくり   ④ 一人ひとりの生命と尊厳を守り、誰もが安心できる共生社会
 
という4つの柱を共有し、その実現に向けて全員一丸となって取り組んでまいります。
また、市長の提案に対しては、皆様の声に耳を傾けながら「是々非々」の態度でのぞみ、健全な二元代表制に向けて議会の役割を果たしてまいります。私たち市議会議員は、皆様からの負託を受けて議会で発言する「代弁者」であると同時に、この福岡市で暮らし、皆様とともに地域社会を支える「地域の一員」でもあります。どうぞ、それぞれの行政区で活動する福岡市民クラブ所属議員に気軽にお声かけいただき、皆様の声をお聞かせください。
これからも、皆様から寄せられた一つひとつの声を議会に届けるとともに、その実現に向けて地道にひたむきに取り組んでまいります。

福岡市民クラブ一同


第3回定例会(6月13日~24日)が召集され、令和元年度一般会計補正予算案の他、条例の制定、改正等、全36議案について審議しました。中でも、福岡市宿泊税条例が新たに制定されましたので、ご報告いたします。


本条例は、平成30年度第4回定例議会にて議員提案により議決した「福岡市観光振興条例」の規定に基づくもので、市は、宿泊事業者などから広く意見を募集するとともに、昨年10月に設置した「福岡市宿泊税に関する調査検討委員会」からの報告書の提出を受け、条例制定に向けた準備を進めてきました。
福岡県との協議を重ね、観光行政における役割分担等を踏まえ、令和元年5月に宿泊税について県との合意に至ったことから、本議会での提案となりました。

納税義務者:
宿泊施設において、宿泊料金を受けて行われる宿泊に対し、宿泊者に課するものとする。
税率(税額):
宿泊者1人1泊につき、以下のとおりとする。

宿泊料金 税率
20,000円未満 150円
20,000円以上 450円

参考
県宿泊税 合計
50円 200円
50円 500円


特別徴収義務者
宿泊税は、特別徴収の方法によって徴収するものとし、特別徴収義務者は、旅館業又は住宅宿泊事業の経営者等とする。
県宿泊税の徴収
福岡県が市内の宿泊施設に県宿泊税を課す場合、福岡市が市の徴収と併せて行う。
入湯税の見直し
宿泊税を課する間は、入湯税を下記の通りとする。

〈改正前〉
入浴客1人1日 日帰り入浴客
150円 50円

〈改正後〉
入浴客1人1日 日帰り入浴客
50円

納税者の理解と協力を活かす観光振興を!

議案質疑[6月13日] 近藤 里美(南区)

 観光振興条例に基づく施策の財源として導入する宿泊税ですが、その徴収の運用については、旅館業・住宅宿泊業の事業者の協力があってこそだと言えます。宿泊税の使途として特別徴収義務者の費用負担に対する補助の実施について確認したところ「福岡市においても、導入先行自治体を参考に支援を検討していく」との回答を得ました。
 納税者に対しては、宿泊税の目的や使途を明確にするとともに、活用結果とその成果を広く広報し、理解を求めることが重要です。さらに、宿泊税は目的税であることから、本市の他の一般施策に充当しないということを、明らかにすることが望ましいと考え、基金の設置などの対応策を検討するよう要望しました。納税者や市民の声を観光施策に活かすとともに取り組みの見える化によって、「税」=「負担増」というマイナスを転換し、福岡市が選ばれるような観光振興施策に取り組むべきと訴えました。

生活被害を防ぐため「カラス対策」を急げ!

一般質問[6月14日] 田中 しんすけ(中央区)

 今回の質問では、生活被害を未然に防ぐための『カラス対策の必要性』を訴えました。
 近年、「カラスに襲われる」「近くに巣があるので撤去してほしい」といった市民相談が急増している現状を指摘。これまで本市のカラス対策は農作物被害への対応が中心であり、生活被害に関しては注意喚起にとどまっていたため、「まずはカラスによる生活被害の実態を調査・把握し、被害を未然に防ぐための抜本的な対策を練るべき」と主張。これに対して当局からは「国や他都市の事例を参考に、カラス被害防止に向けた取り組みをしっかり検討したい」と積極的な答弁を得ました。
 また、『福岡市動物園の現状と課題』については、ゾウやゴリラ、サイなどの希少哺乳類を中心に動物の数が年々減少している実態を指摘。動物の種類・頭数を増やすとともに、動物専門員をはじめとした「希少哺乳類の保護・繁殖を担う人材」の確保など、飼育環境の充実に向けた取り組みを要望しました。

共に生きる社会の実現に向けて

一般質問[6月17日] 宮浦 寛(早良区)

【人口減少が進む早良区南部の地域拠点施設について】「日本一元気な都市」と市長も自負する福岡市にあって、早良区南部はこの10年間で3.5%も人口が減少している現実を指摘。当地に新設される交流センターは、高齢化・災害対策や農林業支援等の地域課題にどのような役割を果たすのかについて質しました。 【人権行政の推進について】本市における人権問題の現状認識を問うとともに、人権行政のさらなる推進について市の考えを聞きました。また、被差別の当事者の方々から意見聴取を行いながら教育施策や市民啓発を進めていくことの重要性を指摘し、次期実施計画の充実を求めました。 【支援を要する児童・生徒の就学について】学校生活支援員制度の充実と肢体不自由の児童生徒のためのエレベーター設置校の増設も含め、障がいの有無によらず、できるだけ誰もが同じ場で学べるような教育環境づくりに向けた今後の方針について教育委員会の考えを問いました。

不登校児童生徒の支援に向け、人的配置を!

一般質問[6月17日] 落石 俊則(東区)

 本市の不登校児童生徒数は、未だ800人超。小学校5年生から増加し「中1ギャップ」は解消の兆しがあるものの、中学校2年生になると急増しています。不登校対応教員が67中学校に配置され効果がみられていますが、不登校の長期化を防ぐためにも、小学生に係る教員の配置並びに現行小学校4年生までの少人数学級を中学3年生まで順次拡大を要望しました。また、不登校児童生徒の居場所として、フリースクールの重要性が増していることから、具体的な連携を求めました。
【多文化共生のまちづくり】 昨年「改正出入国管理法」が成立し、4月より「福岡市外国人総合相談支援センター」が国際会館内に設置されました。本市の在住外国人は、2022年には、3万9千人になると予測されます。生活・労働相談等の課題を集約し、多文化共生の施策に生かすためにも、日本語教室拡充やサポーター等の専門員を配置すべきと質し、「共生コーディネーター配置」の答弁を得ました。

  • 6月定例会に際し、福岡市民クラブより3点、他会派立案の意見書3点について審議しました。それぞれの議決結果は、下記の通りです。
内 容 立 案 者  結 果
 ○ 地方財政の充実・強化を求める意見書  市民クラブ ⇒ 可決
 ○ 教育予算の拡充を求める意見書 市民クラブ ⇒ 可決
 ○ 少人数学級の推進と教育予算拡充を求める意見書 市民クラブ
⇒ 可決
 ○ 信頼される政府統計を目指して更なる統計改革を求める意見書 公明党
⇒ 可決
 ○ 歩行者の安全対策の充実を求める意見書 共産党 ⇒ 可決
 ○ 加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書 共産党 ⇒ 否決
 ※ 市民クラブ=「福岡市民クラブ」の略


議会において提案される各種議案は、議員全員で構成される会議(本会議)で最終的に決定します。その前段、少人数で専門的に審査する場として委員会が設置されています。福岡市議会では5つの常任委員会を設置しており、議員はいずれか1つの常任委員会に所属することとなっています。昨年までは、第1委員会から第5委員会までの数字の名称となっていましたが、今期より、所管する内容を名称に取り入れるとともに、所管局の編成も見直し、下記の通りとなりました。