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議会通信 vol.76 2018年 秋号


9月5日(水)、第7回議会活動報告会を開催し、130名を超える皆さまにご参加いただきました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

福岡市民クラブ 一同

 平成30年度第4回定例会9月6日(木)~14日(金)が開催され、西日本豪雨被害の復旧などに要する平成30年度補正予算案、一般議案など全50議案(内25議案は平成29年度決算関連の議案で、決算特別委員会に付託)をはじめ、議員提出議案2議案について審議しました。今号では、議員提出議案2議案について、ご報告いたします。

【提案者】
● 福岡市民クラブ   ● 自由民主党福岡市議団
● 公明党福岡市議団  ● みらい・ 無所属の会

 この条例は、観光振興に関する基本理念を定め、市の責務等を明らかにするとともに、 観光振興に必要な事項を定めることにより、観光振興に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、本市経済の健全な発展及び市民生活の向上に寄与することを目的としています。
 観光振興に向けた基本施策を定め、その施策の財源として宿泊税を課すこととしました。

① 様々な産業に幅広く波及効果をもたらす
② 地域社会の発展を通して ③ 法令等を遵守した公正競争下で推進 
④ 九州内の地方公共団体との連携 ⑤ 市民生活との調和に配慮

① 観光産業の振興 ② 受入環境の整備
③ 観光資源の魅力の増進等 ④ MICEの振興 ⑤ 持続可能な観光振興

【提案者】
● 日本共産党市議団

 この条例は、市の責務、労働者の使い捨てが疑われる企業に関する調査研究等について定めることにより、労働者の使い捨てが疑われる企業の根絶のための対策を推進し、市民の福祉の増進及び地域経済の健全な発展に寄与することを目的としています。

① 「労働者の使い捨て」及び「それが疑われる企業」の概念について

  • 若者を早期退職に追い込む「使い捨て」という表現は、労働者全般には馴染まない
  • 労働関係法令全般に対して違反している企業を「労働者の使い捨てが疑われる企業」と位置づけることは相応しくない

② 条例制定後の施策効果に期待が得にくい

  • 現行法制度を踏まえると、市が当該企業に対し調査権を発揮できるのかという点も含め、提案の条例に基づいた施策効果には疑問が残る

 一般会計に関する概要についてご報告いたします。
 歳入全体をみると、前年度に比べ615億円(7.7%)増となりました。市税収入は約51億円増加し過去最高額を更新しました。
 歳出総額は、前年度に比べ629億円(8.0%)の増となりました。目的別にみると、保健福祉費が28億円の増、こども育成費が54億円増となった一方で、経済観光文化費、総務費が減少しているところが特徴です。
 県費負担教職員制度の権限移譲に伴い、歳入の交付金、国庫支出金、地方交付税、臨時財政対策債が増加、歳出の教育費が増加しています。

高齢者乗車券は、廃止も削減も予定なし!

一般質問[9月7日] 近藤 里美(南区)

 健康寿命の延伸の鍵の一つは「外出」だと言われています。その支援策である高齢者乗車券について、「2020年には、高齢者乗車券がなくなると聞いたが本当か」というご質問を受けますので質したところ「高齢者乗車券は,多くの市民に活用され,社会参加の促進に寄与しているものと考えている。現在,廃止・削減といった具体的な検討は行っていない。」とのことですので、引き続き、安心して高齢者乗車券を活用いただければと思います。
 この他、いきいきシニアライフの実現に必須の介護現場の改革施策「抱え上げない介護」を提案しました。

猫の多頭飼育問題/部落差別解消の具体的施策

一般質問[9月10日] 池田 良子(西区)

 高齢者の一人暮らしの方の中には、孤立から猫の多頭飼育の問題が深刻化しています。福祉や環境改善の観点から行政の積極的な関りを求めました。
 2020年度より公務で働く臨時・非常勤職員が「会計年度任用職員」へと移行されます。働き方が現状より低下することなく、不利益が生じないよう職員団体の意見を十分聞きながら勤務条件等の制度設計にあたるよう要望しました。
 2016年12月施行の「部落差別解消推進法」は、「教育・啓発の推進」「相談体制の充実」などを進め部落差別の解消を図るよう明記しています。本市での具体的施策を求めました。

7月西日本豪雨災害対応で課題が鮮明に!

一般質問[9月11日] 江藤 博美(西区)

 西日本豪雨は、当西区でも大惨事一歩手前であったことから9月議会で早急な対策を求めました。
 ❶ 西陵中学校グランドの法面崩壊による家屋損壊被害の補償(土砂災害)❷ 金武の金武下池の堤体損壊が近隣集落への甚大な被害につながる危険性があったことの予防策(市内で300か所のため池)❸ 室見川の氾濫で中流域の堤防一部損壊が、下流域3万世帯に浸水被害の可能性があったことへの対応策(河川の重要水防箇所は市内で20箇所)❹ 設置された避難所運営では、行政の不慣れで地元自治協議会との連携に大きな課題を残したこと。以上、防災の最優先課題を鮮明にしました。

市政の実態に対する「過大評価」は禁物!

総会質疑[10月5日] 田中 しんすけ(中央区)

 『福岡市基本計画』に設定されている成果指標の結果をもとに、「取り組みの成果がどれだけ出たか?」という視点から質疑を展開。❶ そもそも指標に対する評価基準が甘い、❷ 生活の質の向上につながる指標の数値が伸びていない、❸ 産業・就労関連の成果指標について、計画当初の数値より下がっている、という事実を明らかにしました。
 また、創業支援分野については、具体的な雇用の創出や経済活性化に与えた影響、税収への影響といった「効果が目に見える」指標を設定し、施策の在り方を抜本的に再評価する必要がある点を強く指摘しました。

森友加計の改ざん公文書「他山の石とすべし」

総会質疑[10月9日] 栃木 義博(早良区)

 森友加計問題で隠ぺい、改ざんと報じられた公文書。国民の信頼を著しく失墜させた国の公文書管理公開の不手際について、福岡市がこれを他山の石とすべきだと意見。恣意的な判断の入る余地を極力排し、透明性を高め、公文書の管理、保存、廃棄の法的根拠を明確にするために「公文書管理規則」を条例に改めるべきであると当局に迫りました。
 災害避難所での性被害発生などに対処するため、人権問題に詳しい法曹等関係者による専門的知見の反映を求めたほか、障がい者の法定雇用義務を履行していない市外郭3団体の改善指導を約束させました。

雇用と所得の拡大あっての経済好循環、求む!

総会質疑[10月22日] 太田 英二(城南区)

 29年度決算から見える本市の状況について、不動産・観光分野において大きく成長し、市税収入が順調な傾向にあっても、生活保護受給者の増加を照らし合わせると、持続可能な社会構成は厳しいと指摘。雇用と所得の拡大を含む、経済の好循環を実現するには、最大の資源である「人材」が能力を発揮できる場をつくることが重要であると提言しました。
 また、「福岡市基本計画に係る実施状況の報告」については評価が甘く、市民の声とかけ離れており、天神ビッグバンやウォータフロント再整備の影とならぬよう、市民生活をサポートすべきと指摘しました。