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議会通信 vol.75 2018年 夏号


5月18日、臨時議会が開催され、常任委員会、特別委員会の編成等を確認し、新年度がスタートしました。
福岡市民クラブからは、第2委員会委員長を池田良子議員、第3委員会委員長を落石俊則議員、監査を阿部正剛議員が務めます。今年度もメンバー一同力を合わせてしっかりと取り組みます。

福岡市民クラブ 一同


第3回定例会(6月13日~22日)が召集され、平成30年度補正予算案の他、条例の制定、改正等、全30議案について審議しました。
中でも、中小企業の生産性向上を促進するための設備投資に関する条例と、障がい者への差別の解消を目的とした条例(右記)が新たに制定されました。

障がいを理由とする差別をなくし
障がいがある人もない人も
共に生きるまちづくり条例案

 本条例は、平成28年4月の障がい者差別解消法の施行、市内の40を超える障がい者団体からの強い要望などを踏まえ、約2年間かけて条例整備に向けた議論を重ね、本議会での提案となりました。本条例は、平成31年1月1日の施行となります。


<主な条例のポイント>
責務・役割 【 市 】 障がい等の理解促進を図り、差別解消に関する施策を実施する責務
【事業者】 差別解消の取組みを積極的に行い、市の施策に協力するよう努める役割
【市 民】 差別をなくし、いわゆる「共生社会」の構築に寄与するよう努める役割
禁止事項・
努力義務
 市及び事業者は、不当な差別的取扱いをしてはならない
 市は、合理的配慮をしなければならない
 事業者は、合理的配慮をするように努めなければならない
市の基本的施策 ・ 障がい等の理解を深めるための啓発活動等の実施
・ 障がい者と障がい者でない者の交流の推進
・ 差別の解消に関する施策を実施するために必要な財政上の措置 等
相談体制  身近さと専門性が両立するような相談体制の整備に向け
 「障がい者110番」(平成28年4月設置)の体制充実などを検討
指導・
紛争解決
 相談者や関係者への必要な説明や調整・あっせんなどを行なった後、
 解決が図られない場合、事業者への指導、助言、勧告、公表を行なう

言葉の窓

§ 不当な差別的取り扱い

障がいのある人に対して、正当な理由なく、障がいを理由としてサービスの提供を拒否することや、サービスの提供にあたって場所や時間帯などを制限すること。また、障がいのない人にはつけない条件をつけること。

§ 合理的配慮

障がいのある人から社会の中にあるバリア(障壁)を取り除くために「何らかの対応を必要としている」との意思が伝えられた時に、負担が重すぎない範囲で対応すること。重すぎる負担がある場合でも、障がいのある人に、なぜ負担が重すぎるのか理由を説明し、別のやり方を提案することも含め、話し合い、理解を得るように努めることも必要です。

障がい者110番も、中小企業支援も積極的に!

議案質疑[6月13日] 近藤 里美(南区)

【障がい者差別の解消】現在、「障がい者110番」が中心となって障がい者差別に関するあらゆる相談に対応しています。差別を行なった者に対して指導・助言、勧告・公表まで行える規定が盛り込まれ、安心して相談できる体制を確保することからも、相談件数の増加が予想されます。条例制定後は件数の動向に注視し、受付人員の拡充など必要な予算措置も含めた検証・検討が必要不可欠です。
【中小企業への特例措置】中小企業にとって投資額を圧縮できる好機であり、積極的な情報提供等、より多くの企業のチャレンジに向け積極的に取り組んでいただきたい。一方、生産性向上がはかられた結果が人員削減につながらないよう質したところ、市は「人材不足が大きな課題であり、長時間労働の原因ともなっていることから中小企業の生産性向上が、当該企業の生み出す付加価値の向上と、従業者の労働時間短縮につながるよう取り組んでいく」との回答を得ました。

ペット・飼い主の満足度アップに向けた施策を!

一般質問[6月14日] 田中 しんすけ(中央区)

 福岡市は「人と動物との調和のとれた共生社会」を実現することを目指して、平成27年度に『第2次福岡市動物愛護管理推進実施計画』を策定しました。現在は、「犬猫の殺処分頭数をゼロにする」ことを目標に、飼い主やペット関連事業者に対して、適正飼育の推進や動物愛護に関する啓発などの取り組みを実施しているところです。
 今回の質問では、本市もこれからは一歩進んで「ペットを飼いやすい」「ペットと一緒に街に出て楽しい」など、ペットと飼い主が共にパートナーとして快適に住まえる環境づくりに向けた取り組みを実施すべきであると主張。具体的には、ペット同伴が可能な飲食店やお店をまとめた『ペット施設マップ』の作成や、ドッグショーをはじめとするペット関連イベントの開催支援(名義後援や開催場所の確保)、ペット関連事業所を含めた業界団体との連携強化といった施策を、他都市の取り組みを参考にしながら新たに実施することを提案しました。

英語教員の拡充が必須/港湾労働環境の改善を!

一般質問[6月15日] 落石 俊則(東区)

 2020年度から小学校で実施される新学習指導要領では、1年間に3,4年生は外国語活動を35時間、5,6年生は外国語科(英語科)を70時間、学習することになっています。今年は、その移行期間として、小学生3年生から6年生までの授業時数が、昨年度より年15時間増え、2019年度からはさらに20時間増えます。英語の免許をもつ専科教員の配置拡充を含め、子どもたちの学びを保障する体制や教員の授業準備の時間確保の支援、授業時数増加への対応を求めました。
 博多港は世界12カ国・地域、41の港とコンテナ物流網が形成され、福岡市のみならず九州全体の経済活動や生活を支えています。近年、貨物輸送のコンテナ化・IT化などの技術革新により、高度な技能労働者を含めた人材確保が課題となっています。岸壁整備や物流の効率化に加え、港湾運営会社や行政が連携し、休憩室等の整備をはじめ働きやすい環境づくりに取り組むべきと要望し、前向きな答弁を得ました。

日本語指導体制のさらなる充実を!

一般質問[6月18日] 阿部 正剛(東区)

 在住外国人が増え続ける中、市立小中学校に通う日本語指導が必要な児童生徒は317人(31ヵ国・地域)にのぼります。児童生徒への支援については、日本語で学校生活を営み、学習に取り組むことができるようになることを目的に、指導拠点校の設置や日本語指導担当教員の配置などといった指導体制が順次整えられてきました。一方、保護者面談などの急を要する場合に、日本語が話せないため通訳等が必要な保護者に対するサポートが不十分ではないか質したところ、語学ボランティアや日本語指導担当教員を活用しながら、今後も必要な対応を行うとの答弁を得ました。
 救急出動件数は、この10年間で2万件増加し年間77,000件となる中、救急搬送の必要がない件数が1万件を占めている状況です。脳卒中や心臓疾患など生命に関わる重篤なケースの救急要請に支障をきたすことがないよう、安易な救急要請を減らし、適切な救急利用がされるよう、さらなる市民啓発を要望しました。

  • 6月定例会に際し、福岡市民クラブより2点、他会派立案の意見書を3点について審議しました。それぞれの議決結果は、下記の通りです。
内 容 立 案 者  結 果
 ○ 教育予算の拡充を求める意見書  市民クラブ  ⇒ 可決(全会一致)
 ○ 少人数学級の推進を求める意見書 市民クラブ
 ⇒ 可決
 ○ 種子法廃止に伴う万全の対策を求める意見書 共産党  ⇒ 可決(市民ク 賛成)
 ○ 核兵器禁止条約の締結を求める意見書
共産党 緑とネット  ⇒ 否決(市民ク 賛成)
 ○ 子どもの生活底上げを求める意見書
共産党  ⇒ 否決(市民ク 賛成)
 ※ 市民ク=「福岡市民クラブ」の略
 ※ 緑とネット=「緑と市民ネットワークの会」の略

福岡市民クラブ 第7回 議会活動報告会を開催いたします!

開催日時

平成30年 9月5日(水)19時〜

 福岡市民クラブは、「市民と一緒に地域の将来を議論し、政策のかたちで提案し、さらに市民に対する説明責任をしっかりと果たす『働く議会』を実現する」という議会改革における理念の下、変わらず活動を続けているところです。
 これまでの会派の取り組みを皆さまにお伝えするとともに、意見交換の場として「議会活動報告会」を下記の通り開催いたします。

 当日の配付資料を、事前に福岡市民クラブのHPに掲載いたします。(8月下旬予定)

と き:平成30年9月5日(水)
    19時00分~20時30分 (18時30分 受付開始)

ところ:エルガーラ 7F 中ホール
    福岡市中央区天神1丁目4-2

参加費:無料