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議会通信 vol.73 2018年 新春号


《年頭にあたり》
謹んで新春のお慶びを申し上げます。昨年は、朝倉市をはじめ大きな被害を受けた九州北部豪雨など、自然の驚異を再確認させられた年でした。教訓を活かし、伸び行く福岡市の成長を市民の命と財産を守るための備えに傾けるとともに、豊かな暮らしと地域の活性化につなげていくため、2018年も気を引き締めて職責にあたって参ります。

福岡市民クラブ 一同


 第5回定例会(12月12日~20日)が召集され、平成28年度決算議案の認定と、条例の改正等27議案、補正予算12議案などの39議案が執行部から提案され、審議の上、全議案可決しました。

《主な執行部提出議案》

  • 補正予算案:人件費等、残余の見込みに対するマイナス補正
  • 福岡市職員の育児休業等に関する条例の一部改正福岡市消防局 マスコットキャラクター ファイ太くん(セントバーナード)
  • 福岡市職員の給与に関する条例の一部改正
  • 市税条例の一部を改正する条例案
  • 福岡市中央卸売市場業務条例の一部改正
  • 福岡市地区計画及び集落地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正

  ※下記の議案質疑を参照ください。

平成28年決算討論
「平成28年度一般会計及び特別会計」並びに「企業会計の歳入歳出決算」について、認定することに賛成の意を表し、討論を行いました。

10月の決算特別委員会総会ならびに分科会において述べた、
・「市営住宅の建て替えにおける都市計画の策定」
・「避難行動要支援者名簿を活用した個別避難計画の策定支援」
・「地域猫活動の啓発や支援」
・「教職員の長時間労働改善」
・「長期に渡り外洋の船上で生活する市民税減免の検討」
・「違法民泊への指導と合わせた戦略的なホテル誘致」
・「給与所得者の年収増につながる施策による市税収入増」
など、平成28年度決算で議論した内容、改善すべき事業、施策について、費用対効果の視点も含め、平成30年度の予算策定に臨んでいただくよう、改めて要望しました。

わがまち特例をテコに、本市事業の充実求む!

議案質疑[12月12日] 近藤 里美(南区)

 わがまち特例:今改正に基づき新設された「企業主導型保育事業」「市内緑地」に対する固定資産税及び都市計画税の優遇措置について、福岡市は独自の判断により、「企業主導型保育事業」に対する特例割合を最も税負担が軽くなるよう設定することとしました。税負担が軽減されるという特典をうまく活用することによって、保育の定数増につなげていただきたいと思います。
 扶養手当の見直し:今改正は、社会情勢を踏まえ、配偶者の手当額を引き下げ、その原資で子の手当額を引き上げるものです。市職員の配偶者手当の支給実態をみると男女間で大きな開きがあり、間接的な男女の賃金格差につながっていることが懸念されます。また、配偶者手当がその配偶者の働き方を制限するという矛盾を是正すべく多くの企業が配偶者手当をすでに廃止していることからも、今回の条例改正を、配偶者手当の将来的な在り方について、考える機会として欲しいと訴えました。

 平成24年度地方税法改正において、地方自治体の自主的な判断を拡大する観点から、国が全国一律に定めていた軽減割合を地方自治体の条例で決定できる仕組み「地域決定型地方税制特例措置」(通称:わがまち特例)が導入され、今年度の改正において、新たに項目が追加されました。
 福岡市は新設の企業主導型保育事業も含め、保育関連事業所等の税負担を最も軽くするよう独自割合を設定しました。これにより、現在、家庭的保育事業を実施している事業主や、企業で保育事業を実施、あるいは検討している事業主にとっては、新たな事業参入や事業の拡大の検討につながります。
 行政が直接事業を実施するだけではなく、税制措置を通じて民間の力を効果的に活用し、各種事業の充実につなげることができます。

〈市税条例改正内容〉
 項 目 地方税法(国) 福岡市
  家庭的保育事業等
1/3〜2/3(基準1/2) 1/3
  企業主導型保育事業 NEW 1/3〜2/3(基準1/2) 1/3
  市内緑地 NEW 1/2〜5/6(基準2/3) 2/3


木材を活用した「新たな体育館づくり」を!

一般質問[12月13日] 田中 しんすけ(中央区)

 福岡市は、市域面積のおよそ1/3を森林が占めるという、大都市の中では珍しい「森林都市」ですが、その管理はなかなか行き届いていないのが現状です。森を守っていくためには、木を「植える」「育てる」「使う」というサイクルをしっかりと循環させることが必要。そのためには「木材を使う」ことが本市にとって重要であることから、今後の木材使用量の拡大に向けた具体的な提案を行ないました。
 今回の質問では、木材使用の方法として、市民からも要望の多い「学校施設」への更なる活用を主張。とりわけ、本市で狭隘化が深刻な問題となっている学校体育館の再整備にあたっては、他都市で先行している木造体育館の事例を研究し、本市でも整備の可能性を検討するよう要望しました。また、「まずは、横浜市が策定しているような木材使用に関する詳細なガイドラインを、他の関連部局と連携しながら整備すべき」と指摘。農林水産局からは前向きな答弁を得ました。

外国人への伝達手段として“やさしい日本語”を!

一般質問[12月14日] 阿部 正剛(東区)

 本市では、訪日外国人の増加もさることながら、在住外国人も増え続けており、災害情報や住民サービス、暮らしのルールなどの情報伝達がさらに重要となっています。とはいうものの、多種多様なすべての言語に対応することは困難であることから、“やさしい日本語”を使った表現が有効とされていますが、本市では不十分な状況です。外国人にこうした情報がきちんと伝わるような取り組みを求めたところ、「外国人が生活するうえで必要なルールやマナー、災害時の情報伝達など、様々な場面で“やさしい日本語”を活用できるよう、手引きを用いるなどして、庁内はもとより、外国人を支援する関係団体等と協議し、活用を働きかける」との答弁を得ました。“やさしい日本語”の例を挙げると、避難→逃げる、危険→あぶない、給水→水をくばる 等。しかし、日本語を母国語とする我々には馴染みが薄く、不自然と感じる場合もあることから、理解を深めるなどの周知が必要です。

「働き方改革」のモデル企業を福岡市から!

一般質問[12月15日] 落石 俊則(東区)

 本市の30歳未満の若い世代は、5年前と比べて正規雇用の割合は増加しているものの、非正規雇用が依然として40%を占めています。また、労働相談は、未だ年4600件以上に高止まりし、県内の新規学卒者の離職率は全国に比べ、約5ポイントも高くなっています。
 このような中、「ふくおか『働き方改革』推進企業認定事業」が始まりました。本事業の対象は、本社が市内にあること等の要件があり全企業の約6割に限られますが、働く者の立場に立ち「脱長時間労働」をはじめ、正規雇用の拡大や非正規雇用者の待遇改善、「ワーク・ライフ・バランス」の推進を含めた実効性ある「働き方改革」に取り組むことが求められます。
 そこで、より多くの企業が「働き方改革」に取り組むよう、啓発と周知を要望しました。また、立地交付金制度に今回の認定事業の要件を加える等、市内に進出する企業が、率先して「働き方改革」のモデル企業となるよう誘導することを求めました。

福岡市民クラブ 会派基本政策の実現に向けて、鋭意活動中!

予算要望書を提出する阿部代表(右)と髙島市長(左)

9名全員で予算要望を実施

平成30年度 予算要望を市長に提出!!

 12月11日(月)、福岡市民クラブ9名にて、髙島市長に「平成30年度予算要望」を提出しました。要望は、我々の掲げる「会派基本政策2015」(※)の実現に向けて、生活保障戦略・成長戦略・地域主権戦略の全73項目143施策を要望しました。
 主な要望施策を具体的に挙げると、

  • 生活保障戦略では、①子どもの権利保障 ②待機児童・未入所児童の解消 ③社会的養護体制の充実 ④元気な高齢者のまちづくりの推進 ⑤安心できる労働環境の整備 ⑥防災対策および災害時の要援護者に対する支援など。
  • 成長戦略では、①港湾物流機能の強化 ②首都機能バックアップをにらんだ企業誘致の推進 ③農業・水産業の振興と林業の再生 ④ヒートアイランド対策 ⑤公立夜間中学の設置 ⑥教師が子どもに向き合う時間の確保など。
  • 地域主権戦略では、①市民に開かれた市政の推進 ②男女共同参画の推進 ③市民参加型の行政改革会議の設置 ④若年者の地域参加促進 ⑤非核・平和都市の推進と平和について学ぶ機会の拡充など。

 私たちの要望が、平成30年度予算に反映されるよう、3月の予算審議に向けてしっかりと準備を進めていきます。

 ※ 会派基本政策2015については、福岡市民クラブホームページに掲載いたしております。