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議会通信 vol.59 2014年 夏号


福岡市民クラブ始動!

4月21日、旧民主・市民クラブは吉武輝実議員(東区)を加えて9名の会派となり、福岡市民クラブとして新たなスタートを切りました。市民生活により近い議会を目指し、市民の声を市政に反映する政策提言集団として、政党の枠を超えた結集軸となることを目指していく決意です。引き続き、市民の皆さまの声を私たちにお寄せ下さい!


1. JR九州が施工、科学館は賃借入居

 6月定例議会(6月20日~6月30日)では、九大六本松キャンパス跡地での青少年科学館(仮称)の整備手法について、JR九州が既に購入した土地に商業施設、九州大学の法科大学院等が入居する一体型施設を建設し、青少年科学館が賃借入居することが決まりました。契約の期間は30年間で、市は3階部分から6階部分(プラネタリウムを含む)までの4層、約10,000㎡を賃借し、年間で約3億3千万円の賃料をJR九州側に支払うことになります。なお、賃料については福岡市とJR九州の協議により、契約の11年目から20年目までが当初契約の5パーセント減、21年目から30年目までが、更に5パーセント減となります。
 青少年科学館の整備を巡っては、市が現予定地に5,000㎡の用地を購入し、単独で建設するなど別の手法を支持する声も議会内に根強くあったことから、福岡市民クラブでは6月30日の本会議採決において賛否を議員個人の判断に委ねることとなりました。整備手法が決定したことを受け、今後は子どもたちのたちのためにより良い科学館となるように、会派一丸となって取り組んで参ります。

2. 企業協力による科学展示空間も

※公募時点の計画内容で、今後変更の可能性があります。 一体整備の手法を取るメリットとして福岡市が強調する点の1つに、企業協力による魅力的な展示が挙げられます。4階の共用部分にJR九州など地場を中心に、企業が持つ最先端の技術に触れることができる科学展示空間が展開されますが、福岡市では、JR九州が展示を検討している鉄道運転シミュレーターを始め、自動車やロボットの技術など陳腐化しにくい空間づくりが期待できるとしており、多くの子どもたちの興味・関心を引くものとなりそうです。
 また、外観デザインはJR九州のクルーズトレイン、「ななつ星in九州」等を手がけた水戸岡鋭治氏が監修予定で、福岡市は周辺街区との統一感のある景観形成に努めたいとしています。最上階には内径25メートルのプラネタリウムを整備し、天文学はもちろん生物、化学の分野など多彩なプログラムが全天周スクリーンを用いて上映されます。

3. 引き続き注視すべき課題も

 6月定例議会では、民間施設との一体整備の手法を取るにあたって、貸主であるJR九州側と福岡市が30年に渡る長期の賃借契約を結ぶことの是非が問題となりました。福岡市ではこれまでに賃料の支払いとしては前例のない、30年間の債務負担行為として94億5千万円余りを設定する許可を議会に求めましたが、議会からは長期間に及ぶ契約の中で周辺の地価が大幅に増減することも考えられ、当初の賃料設定が市民の理解を得られなくなる事態が起きないかなどについて慎重意見が相次ぎました。
 これに対し福岡市とJR九州は、賃料が周辺の相場と大きく開いた際に見直しができる条項を契約に盛り込むとしていますが、所管する第2委員会での審議では、「3年、5年などの定期で、または周辺の賃料との差が一定開いた時点などで、市当局が議会に報告を行う」ことを会派の所属議員が求め、当局は手立てを講じる旨の答弁をしました。
 民間施設との一体整備には多くのメリットがありますが、長期に及ぶ契約には福岡市、JR九州双方にリスクが伴うものになります。子どもたちのための施設運営に一切の支障が生じることがないよう、私たち議会は今後も責任を持って注視し続けなければなりません。

「将来に責任を持つ」整備手法を!

議案質疑[6月20日] 田中 しんすけ (中央区)

 今議会に提出された議案のうち、「福岡市青少年科学館に係る賃貸借についての債務負担行為」に関して質疑を行ないました。青少年科学館の整備手法として、「本市による単独整備」と「民間企業との一体整備(賃借入居方式)」のそれぞれのメリットが事前に説明されましたが、今回の質疑で明らかになったのは、運営期間50年で比べた場合、新たに土地を購入して(PFI方式による)単独整備をした方が財政支出は4億円少なくなるという事実。また、JR九州と合意した賃料(坪単価10,857円)についても、その金額の妥当性を示す具体的な説明はなされませんでした。さらに、契約の期間については、30年間にわたる賃貸借にかかる債務負担行為が議会に提案されたことは過去に一度もなく、これだけ超長期の契約に対して担保を与えることは、議会としてもかなり慎重な態度を取らざるを得ません。「債務負担行為の期間をもっと短くして、さらに途中でも(賃料含む)契約内容を見直すこと出来るような実効性のある中身にすべき」と主張しましたが、具体的な答弁は得られませんでした。

疲弊する公民館への対処を求める

一般質問[6月24日] 吉武 輝実 (東区)

 学校施設の開放、公民館の運営と公民館職員の待遇の2点について質問しました。学校施設については、校庭夜間開放、体育館開放が特定の団体の利用に偏り、校区行事や新規団体が使いにくい状況など多くの課題を明らかにした上で、子どもたちだけでなく市民にとっても重要な学校施設開放の在り方を、早急に改善するよう求めました。公民館については、初めに館長・主事の待遇の現状について当局に質問し、主事は週5日勤務として1日5.5時間の勤務が要綱に定められているが、実態は長時間勤務が常態化していること、年次有給はほとんど取得していないことなどを指摘。これに対し当局が、「主事の勤務時間を勘案し補助員を活用している」と答弁したのを受けて、「あまりにも現実を見ていない」と厳しく批判しました。当局は今年度から補助員の公民館毎の就業時間を月22時間一律カットしましたが、事前に実態調査を何ら行っていません。質問では実態調査の早急な実施や、館長・主事などの過重労働の現状改善に向けた、予算措置などを求めました。

カワイイ区は即時廃止を!

一般質問[6月25日] 調 崇史 (城南区)

 待機児童、カワイイ区の2項目について質問しました。待機児童では、高島市長の情報発信のあり方を糾弾しました。今年4月1日には国の少子化対策担当大臣が閣議後の会見で早々と福岡市の待機児童ゼロ達成について言及し、全国的なニュースとなりました。一方で高島市長は今年2月の会見では「4月1日にゼロになっても4月10日には待機児童が生じるのが福岡市の状況」などと発言したように、本市の待機児童ゼロが長続きしないことを認識しており、質問では大臣まで巻き込んでの情報発信が「確信犯的な市民だまし」だと追及しました。
 カワイイ区では、市は今年度の事業を約1,300万円の公金を広告代理店に丸投げするだけで全く管理できておらず、カワイイ区長の報酬額が不明であることや、福岡市が主催するイベントに出演させる際にも別途謝礼が必要であることなどが判明。最近では明らかに市民の関心も下がっていることなどから、事業の即時廃止を強く求めました。

小・中学校へのエアコン設置は平成27年度から28年度に

  •  6月定例会の第2委員会での審議において、教育委員会は今年度までにエアコンが設置されない市内の全ての小・中学校への設置スケジュールを報告し、併せて事業手法としてPFI方式を採用することを説明しました。設置では、体力の面を考慮して小学校全校への整備を優先して平成27年度中に実施。中学校全校への整備は翌28年度中とする方針です。
  •  また事業手法では、PFI方式による民間資金の活用によって、施工費用だけで5~60億円と見込まれる多額の事業費の支払いを平準化することを目指すとしています。このうち、先行する平成27年度の小学校へのエアコン整備については、対象となる106校を東部、西部の2つのエリアに分けて、地場企業などが参加する特別目的会社(SPC)を対象に入札を実施し、施工から保守点検などの運用を含めて平成27年度から13年間の契約を結びたい考えを示しています。
  •  福岡市では今年9月の定例議会で、業者選定に向けた債務負担行為の設定の議決を求めた上で、来年3月には業者との契約を議会に諮りたいとしており、福岡市民クラブでは一日も早い全校へのエアコン設置に向けた円滑な議論に力を傾けたいと考えています。


福岡市民クラブ 議会活動報告会を開催いたします!

開催日時

平成26年 8月7日(木)19時〜

 福岡市民クラブでは、「ローカルマニフェスト」の実現に向けてどのように活動しているのかなどを市民の皆さまにお知らせする機会として、議会活動報告会を企画しました。
 報告会ではローカルマニフェストの進捗状況のほか、今年度予算に会派要望がどのように生かされているのかなどについて、所属議員からご説明させて頂きます。また、今後の会派の活動や市政運営へのご意見などの質疑応答も予定しております。

 当日の配付資料を、事前に福岡市民クラブHPにてご覧頂けるように準備いたします。(8月上旬にPDFデータにて掲載予定) 広告ページはこちら>>

日 時:平成26年8月7日(木)
    19時00分~20時30分 (18時30分受付開始)

場 所:福岡国際ホール「志賀の間」
    福岡市中央区天神1-4-1 (西日本新聞会館16F)

参加費:無料