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議会通信 vol.90 2022年 夏号

令和4年度第2回福岡市議会(臨時会)にて、常任委員会、特別委員会の編成等を確認し新年度がスタート。落石俊則議員が経済振興委員会の委員長、田中たかし議員が生活環境委員会の副委員長を拝命しました。福岡市民クラブは、引き続き「一枚岩」で活動を展開してまいります。

 令和4年度第3回定例会6月14日(火)~22日(水)が開催され、原油価格・物価高騰等を踏まえた経済対策等に充てる令和4年度一般会計補正予算案、条例案など全34議案について審議しました。

議案より

原油価格・物価高騰対策へ38億強を追加補正!


 コロナ禍において原油価格や物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の負担軽減のため、地方創生臨時交付金が追加交付されたことを受け、追加補正を行ないました。
●市民生活への支援 … 約31.3億円
 ・下水道使用料の減免(約24.6億円)
   一般家庭の下水道使用料(基本使用料+従量使用料)の
   2ヵ月分を全額減免
 ・学校給食の物価高騰対策(約3.9億円)
 ・保育所等給食の物価高騰対策(約2.4億円)


●事業者等への支援…約7.5億円
 ・全市版プレミアム付商品券(約4.2億円)
   販売予定額:25億円
   販売時期:令和4年10月 第1次販売(福岡市民・抽選)
        令和4年11月 第2次販売(一般・抽選)
 ・地元産水産物の学校給食での提供(約8000万円)
  市内の小中特別支援学校の給食約134,000食、年2回提供
 ・園芸産地育成事業(約1500万円)
  園芸農行者の支援のため、省エネ型機器の導入経費の一部を
  助成

物価高騰対策に市ができる最大限の支援を!

議案質疑[6月14日] 井上 麻衣(城南区)

 国の交付金38億円の内24億円以上を充てて、下水道使用料2ヶ月分が減免されます。全世帯対象とのことでわからなくもないですが、1世帯当たりの支援額は平均2,700円弱にしかならず、1度だけ広く浅く配るようなものです。貴重な交付金を活用し真に必要なところに必要な支援を届けるため、どれだけの議論を尽くしたのかを質しつつ、今回の減免における政策効果を検証するよう求めました。また、単身世帯を中心に、下水道使用料が家賃や共益費の中に含まれている集合住宅もあり、入居者が直接払わないケースがあるため、十分に考慮した上で対応するよう指摘しました。
 子育て世帯の負担増の抑制をねらった給食費の助成事業について、保育所給食分は保護者ではなく施設に助成することから、すでに保護者に対して給食費を値上げしている保育所には何かしらの手立てを検討するとともに、窮地にある保育所には年度末支給ではなく期間中速やかに助成が届くよう求めました。

議案より

注目!「建築関係手数料条例の一部を改正する条例案」より

 マンションの管理適正化法の一部改正を受け、地方公共団体によるマンションの管理計画に対する認定制度の開始に伴い、申請料を定める条例改正を行ないました。

〜法改正のねらい〜
 現在、全国の築40年超のマンションは81.4万戸あり、10年後には約2.4倍の198万戸となる見込みとなっています。マンションの老朽化が進行する一方で、管理組合の担い手不足という課題が顕著になる中、管理組合の管理能力の低下を防ぎ、建物管理の適正化を推進していくことが求められています。周辺への危害等を防止するための維持管理の適正化や老朽化が進み維持修繕等が困難なマンションの再生に向けた取り組みを強化することを目的としています。
〜管理計画認定制度〜
 認定基準:管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕
      計画の作成及び見直し等、その他で構成され、全18項
      目。

認定のメリット
・区分所有者の管理意識の向上による適正な管理推進
・市場で評価されることによる資産価値の向上
・住宅金融支援機構にて金利引下げの実施
 フラット35/マンション共用部分リフォーム融資 など
 (予定)

〜福岡市による支援策〜
 福岡市における「管理計画認定制度」は7月1日より運用を開始しました。
福岡市の独自支援:認定申請にかかる費用の一部助成
         (申請料除く)
 ①マンション管理組合の合意形成に必要な費用
  例えば、臨時総会を開催するための会場費用など
 ②認定申請に必要な書類作成にかかる費用
相談窓口の設置「住宅相談コーナー:福岡市役所3F(住宅計画課
         内)」
 マンション管理士による「マンション管理相談」を実施しています。
 相談日時:毎月第1・3木曜日の午後1時~午後4時
     (1組50分)
 申込方法:相談日前日の午前12時までの予約制 


ネットの悪質な書き込み防止策の強化を求む

一般質問[6月15日] 宮浦 寛(早良区)

 2021年、栃木県行政書士会所属の行政書士による戸籍等の不正取得事件が発覚し、全国の不正取得総数が7,000通とされる中、本市関係分が24件も含まれていたことが明らかになりました。本市には、身元調査につながる住民票等の不正取得防止策として、本人以外の第3者からの取得に関し本人に通知を行う「事前登録型本人通知制度」が導入されているにも関わらず、抑止効果が働かなったことを指摘し、職務上請求書を取り扱う士業関係者に対し、通知制度を有する自治体であることを積極的に周知するなど、さらに抑止力を高める必要性を質しました。
 また、市内の街頭や集会などで行われた不当な差別的言動(ヘイトスピーチ)の状況を確認するとともに、続発するインターネット上の悪質な書き込みに対するモニタリング体制の現状を問い、差別的な書き込みの削除につなげるため、防止条例の必要性、NPOなどと連携したネットモニタリング体制づくりと取り組み推進を求めました。

やるならちゃんと! West Coast プロジェクト

一般質問[6月16日] 田中 たかし(西区)

 北崎今津地区で進むWest Coastプロジェクトについて、地域住民などへの調査を元に、渋滞・サイクリストの危険性・バスの確保・環境美化の問題があることを指摘。駐車場の事前予約制や糸島半島周遊観光バス、サイクリストへの注意喚起表示など、他都市の効果的な施策を紹介し、持続可能な観光地とするよう要望しました。
 また、観光地の成功には効果的なイメージ戦略が不可欠ですがWest Coastでは示されていないため、世界的潮流である「環境配慮型観光地」のコンセプトを打ち出しつつ、訴求効果のあるイメージ定着に向けた施策実施を求めました。加えて、糸島半島全体の観光地ブランド確立には糸島市との連携が必要であり、観光協定の検討を要望。全庁一丸で進める「West Coast プロジェクト」という割に、具体的な事業が少なく、地域からは見えないことから、各局が同じ方向性を持って進むために、北崎今津地区の将来像と観光施策の計画を明確に示すビジョンの策定も要望しました。

部活動指導員の増員と指導力アップ求む

一般質問[6月17日] 山田 ゆみこ(博多区)

 教員の長時間労働対策の一環として、2025年度末を目標に休日の学校の運動部活動を地域移行するという方針が、文科省から発表されました。学校教育の一環である部活動は教員の負担が大きく、本市でもH29年より希望する学校に部活動指導員を配置し、負担軽減につなげています。また、中には、部活動を通じて競技会などで成績を出し進路に繋げるという将来図を描いている生徒もあり、公認スポーツ指導者資格を有する指導員による専門的な指導等を通じて、生徒の意欲の向上や技術力の向上に寄与している学校もあります。
 部活動が将来的にすべて地域に移行したとしても、子ども達にとって、指導者はとても重要な存在であり、現在の部活動指導員がその役割を担うことが想定されることから、さらなる増員に取り組むとともに、技術力や競技力のアップにつながる施策を求め、「部活動指導員の研修内容のさらなる工夫と部活動の充実に向け取り組む」という答弁を得ました。

女性の「やせ」対策で健康寿命の延伸へ!

一般質問[6月17日] 近藤 里美(南区)

 福岡市の健康寿命は、H22年「男性70.38歳、女性71.93歳」からR元年「男性71.99歳 女性74.26歳」へと延びましたが、全国平均には及ばず、大都市1位の浜松市との差は男性1.75年、女性2.39年と大きな開きがあります。生活習慣病予防や重症化予防の結果、H26年からの5年間で、一人あたりの年額医療費は約3万円減少し、要介護認定年齢も上昇したことから、引き続き健康寿命の延伸に向けて取り組む必要があります。福岡市が九州大学との共同によりデータ分析した結果、「やせ」「歩く速度が速くない」「朝食を食べない」方ほど要介護リスクが高いという課題が明らかになりました。特に、やせ(BMI18.5未満)は、圧倒的に女性が多く、若年層から対策をとる必要があり、「SNS等も活用しながら、わかりやすいメッセージの発信や広報に努めていく」との回答を得ました。
 広報啓発だけではなく、引き続き調査研究を進め、日々の暮らしの中に潜む根本原因を探り、対策を講じるよう要望しました。

市議会に対し意見書を提出、可決!

 6月定例会に際し、福岡市民クラブより1点、他会派立案の意見書4点について審議しました。
 それぞれの議決結果は、下記の通りです。

内 容 立案者 結果
 非核三原則の堅持及び核兵器廃絶に向けて主導的な役割を果たすことを求める意見書 市民ク 可決
 カーボンニュートラル達成に向けた学校施設のZEB化の更なる推進を求める意見書 公明党 可決
 学校給食費の無償化を求める意見書 共産党 可決
 インボイス制度の実施に当たり慎重な対応を求める意見書 共産党 否決
 後期高齢者の医療費窓口負担割合の引き上げ見直しを求める意見書 共産党 否決

※市民ク=福岡市民クラブの略

TOPICS

全国市議会議長会より永年勤続表彰授与

 5月25日開催の全国市議会議長会第98回定期総会において、議員10年、15年、20年、25年、30年の方が、それぞれ表彰されました。我が福岡市民クラブからは、池田良子議員・田中しんすけ議員の二人が、議員活動満15年となり、表彰されました。
 6月議会の初日の日程に入る前に、議長より表彰状の伝達と市長からの感謝状の贈呈が行なわれ、受賞者を代表して池田議員が挨拶しました。

              ▲「この機を節目に、引き続き頑張ります!」

▲表彰を受ける田中しんすけ議員
▲受賞者を代表して謝辞を述べる池田議員